「ふげ、ほげ、ほげげげ〜〜〜〜〜ッッ!! ふごっ、ふんごおおおッ!
 やめ、やべでぇぇぇーっ! んぎぃぃぃいいいッ!
 ふごっ、ふごっ、は、はなぐぁあああッ! ぶきィィィィイイイッ!!」

ぶちっ! ぷち、ぶちぶちぶちッ!!
「いっ! いだっ、いがひぃッ!! んんごお〜〜〜〜〜〜ぉぉぉおおお」
引き上げられるストッキングに引っ張られて、まるでブタのようにひしゃげたルリの鼻の穴。
その鼻穴の中に群生していた、外見と不釣合いな剛毛鼻毛が
ストッキングの動きに巻き込まれて、ぶちぶちと何本も抜けた。
その痛みに思わず涙が滲む。

「あはははっ! いい顔になったじゃない、ルリちゃん。あんたみたいな泥棒猫にはお似合いの格好だわ!
 ううん、猫っていうよりブタね、ブタ! すごいブタ面になってるよ、今のルリちゃん」
「はははっ! さすが魔女だけあって下品な鼻をしておるではないか。なんだ? その大量に生い茂った鼻毛は!
 少しは恥ずかしいと思わないのかね? 女性とはもっと慎み深くあるべきだよ」
「あれ〜、でもこんな不細工な顔と一緒にされたら豚さんが気を悪くするかな?
 押しつぶされて上を向いた鼻から毛をはみ出して、唇は捲れあがって涎まで垂らして!
 それに頬も上に引っ張り上げられて、変な顔のかたち〜、きゃはははは」
「それに涎や鼻水がストッキングに糸を引いて、汚いことこの上ないな」
次々と吐きかけられる侮蔑の言葉に、ルリの頬を涙が伝う。
「なに泣いてるの? ルリちゃん。不細工が泣いたって余計不細工に見えるだけだからやめた方がいいよ〜。
 大丈夫! 心配しなくてもルリちゃんのその晴れ姿はちゃ〜んとアキトにも見せてあげるから!」
「!!」
「くくくっ、貴様のその姿はすでに記録にとってある。
 憎き魔女のこの無様な姿を見れば我が同志たちの溜飲も幾許かは下がり
 そして連合宇宙軍少佐を晒し者にした事で、我が軍の兵士諸君の士気も上がるだろう。
 この映像を全宇宙に流す準備もすでに整っている。明日には全人類が貴様のその姿を目撃することになるだろう」
「くすっ、こんな姿を見れば、アキトもきっと愛想をつかすわ。これで私とアキトの愛は永遠なのよ」
「い、イヤァァァァァァーーーーーッッ!! やげけぇーッ! ひょんなほと、やええぇー!
 ひゅりかはん、ひゅりひゃはんゆゆひへぇぇぇッ!!」

「あはははは、あははははははは・・・・・」
「くくく、はぁーっははははははは・・・・」
「ひやぁーッ! ふぎっ、ぐきぃぃぃぃ! やえっ・・・ぶひぃぃぃぃぃぃいいいいい・・・・」

翌日、全宇宙に向かって流されたこの映像を見た火星の後継者残党は
自分達の理想を打ち砕いた憎き仇が、大股を開きの格好で頭からストッキングを被せられ
顔面を無様に滑稽に歪められている姿を見て狂喜し
一方、連合宇宙軍ではこの全宇宙に赤っ恥を晒す事になった事件の責任を誰が取るかということで
大揉めに揉めることとなった・・・

Text by たぬき王

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